20代の平均の貯蓄額はいくらくらい?
どのくらい毎月貯金すればいいのか? について国の機関が調査した結果から解説します。
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※ 単身世帯の数字です。(他には「二人以上世帯」の数字もあります。いわゆる共働き世帯やお子さまのいらっしゃる世帯)
まずは単純な比較(年代別)を見てみます。
貯金以外に(運用している)金融資産があるか、どうか?
※「ない」というのは、いわゆる預貯金のみで、給料振込用の口座・普通預金に残高が入っているだけ、という口座の利用方法のタイプの人です。
※ 特に金融資産を意識して運用はしていない、という人たちがここに入ります。
(出典はいずれも「知るぽると」の資料です)
20歳代 | ある(金融資産あり): ない(預貯金のみ) 61.0 % : 39.0 % |
30歳代 | 63.7 % : 36.3 % |
40歳代 | 64.3 % : 35.7 % |
50歳代 | 64.3 % : 35.7 % |
60歳代 | 71.2 % : 28.8 % |
さすがに60歳代になると年金生活者も入ってきますので「ある」が7割を超えてきています。
それでも20歳代と比較しても10ポイントしか数値が上ってきていないのが意外でした。
【参考資料】同じ質問に対して二人以上の世帯の場合は?
20歳代 | ある(金融資産あり): ない(預貯金のみ) 62.9 % : 37.1 % |
30歳代 | 77.3 % : 22.7 % |
40歳代 | 75.2 % : 24.8 % |
50歳代 | 76.8 % : 23.2 % |
60歳代 | 81.0 % : 19.0 % |
さすがに、共働き世帯など二人以上の世帯になると意識が上がるのだと思いますね。
20歳代はあまり変わりませんけど(そもそも独身が多いでしょうから)、30歳代以上になると、「ある」が10ポイント以上アップしているのが特徴的です。
次は金額で比較してみます。
金融資産なし、【単身世帯で】預貯金がある人の預貯金残高
※ 金融資産を持たない単身世帯・20歳代が、39%の数字で預貯金のみを持っている、という結果でしたが、その「金融資産を持たない」という層の中で、口座を持っていて残高があるよ、というのが約67%割です。(残りは口座を持っているけど残高ゼロが29%、または口座そのものを持っていないが4%です)
※ その口座を持っていて、残高がありますよ、という人たちの残高平均が次の表のようになります。
20歳代 | 88万円 |
30歳代 | 219万円 |
40歳代 | 689万円 |
50歳代 | 298万円 |
60歳代 | 272万円 |
70歳代まで含めた全年代層での全国平均は | 270万円 |
40歳代がピークで50歳代が減ってきているのも特徴的です。
これを金融資産なし、【二人以上の世帯】と比較してみます。
金融資産なし、【二人以上の世帯】預貯金がある人の預貯金残高は?
※ 共働き世帯が入ることから残高が【単身世帯】よりも多くなっています。
20歳代 | 164万円 |
30歳代 | 852万円 |
40歳代 | 260万円 |
50歳代 | 843万円 |
60歳代 | 357万円 |
70歳代まで含めた全年代層での全国平均は | 576万円 |
※ 40歳代が少なくなっているのは、教育資金でお金がいちばん必要なタイミングだからかと思われます。
※ 50歳代になって大きく増えるのも特徴的です。
次は、金融資産を持っている世帯がどのくらいの金額を保有しているか、について【単身】と【二人以上】世帯での数値をチェックします。
金融資産あり、【単身世帯】の年代別、金融資産の保有金額
平均値と中央値を取り上げました。
※ 20歳代での平均値は302万円ですが、1,000万円以上も約5%存在します。
20歳代 | 平均値 302万円 | 中央値 100万円 |
30歳代 | 965万円 | 294万円 |
40歳代 | 1,294万円 | 440万円 |
50歳代 | 1,675万円 | 675万円 |
60歳代 | 2,645万円 | 1,180万円 |
70歳代まで含めた全年代層での全国平均は | 1,614万円 | 500万円 |
※ 20歳代(金融資産あり)【単身世帯】の平均値 302万円の内訳については後述します。
次は、【二人以上の世帯】の場合です。(結婚、共働き世帯、お子さまのいる世帯等)
金融資産あり、【二人以上の世帯】の年代別、金融資産の保有金額
当然に、【単身世帯】よりも(共働き世帯が入りますので)金額が全体的にアップしています。
※ 20歳代での1,000万円超が約1割存在します。
20歳代 | 平均値 344万円 | 中央値 201万円 |
30歳代 | 986万円 | 400万円 |
40歳代 | 1,235万円 | 531万円 |
50歳代 | 1,825万円 | 800万円 |
60歳代 | 3,014万円 | 1,400万円 |
70歳代まで含めた全年代層での全国平均は | 2,024万円 | 800万円 |
金融資産あり、【単身世帯】の金融資産の内訳
20歳代 302万円 | 将来備え用の預金 143万(うち定期性36万)、生命保険 10万、損害保険 2万、株式 72万、個人年金 8万、投資信託 42万円、債券 8万、その他 17万 |
30歳代 965万円 | 将来備え用の預金 638万(うち定期性128万)、生命保険 37万、損害保険 5万、株式 148万、個人年金 32万、投資信託 52万円、債券 26万、その他 27万 |
40歳代 1,294万円 | 将来備え用の預金 474万(うち定期性225万)、生命保険 91万、損害保険 10万、株式 255万、個人年金 82万、投資信託 194万円、債券 105万、その他 83万 |
50歳代 1,675万円 | 将来備え用の預金 763万(うち定期性485万)、生命保険 162万、損害保険 9万、株式 261万、個人年金 117万、投資信託 266万円、債券 41万、その他 56万 |
60歳代 2,645万円 | 将来備え用の預金 1,018万(うち定期性576万)、生命保険 304万、損害保険 43万、株式 680万、個人年金 213万、投資信託 285万円、債券 38万、その他 64万 |
70歳代まで含めた全年代層での全国平均の場合 1,614万円 | 将来備え用の預金 671万(うち定期性348万)、生命保険 165万、損害保険 19万、株式 341万、個人年金 102万、投資信託 200万円、債券 67万、その他 49万 |
さすがに、金融資産に目がいっている人たちは、「それなりの(人生の)リスク回避策」をちゃんと考えているのがわかります。
ここまでの金融資産がないという自覚がある人なら、次はどういう意思決定をして、どう行動すればいいかを考える必要があると思います。
あと一つ、衝撃的な話も参考までに取り上げておきます。ぜひ、頭の片隅にでも入れておいてください。
その前に、下の表はこれまでの説明をまとめたものです。

あくまでも「平均」だということを理解しておいてください。
平均88万円は、もしあなたが30万円で2人で平均になるとしたら、相手の人は146万円だった、ということが前提です。
※ アンケート調査の全体の数字は2,500人からのものです。


給料(所得)が伸びない日本の姿(NHKスペシャルからの情報)
NHKスペシャル(2022年9月18日のNHKスペシャル)、『“中流危機”を越えて 「第1回 企業依存を抜け出せるか」』からの情報です。
世帯所得の中央値は、この25年で約130万円減少。(年収505万円→374万円)
【出典:2022年9月18日・NHKスペシャル】
もちろん、いろんな要因が絡みあっているのでしょうけど、実際、日本人の賃金は伸び悩んで(というか減少してきて)います。
今や、人件費が安いと言われていた中国よりも日本人の人件費の方が安いのです。(海外工場も国内回帰となりますね)
2022年、アフターコロナ後の日本経済はインフレに向かいつつあります。2022年の4月~10月にかけてドンドンと物価が上がってきています。
とりわけ10月1日には、たくさんの商品が値上されました。(ニュースで耳にしたかと思います)
給料は伸びない、副業は解禁されてきている、でも物価は上がる、自分の未来は、老後は?と考える時に、誰しもが不安になる時代になってしまったような気がします。
もはや国や企業が終身雇用的に働き手の面倒を見てくれるという時代ではなくなりました。
(私が若い時は終身雇用・年功序列・企業内組合が三種の神器として企業発展の「もと=原動力」となって日本経済の成長を支えてきました)
まとめ


各個人個人において、資産や金銭的なものは(家庭環境や教育や本人の性格もあいまって)かなりの個人差があるのが事実です。
でも生活習慣を変えることは、誰しもができることです。まずは、意識して習慣を変えることからスタート必要があります。
やがては大きな果実をもたらせてくれることになるはずです。
同じ20歳でも、同じ20代でも、違う生き方をしている人たちがたくさんいます。
もろちんあなた自身の人生ですから、あれこれ言うのは余計なことかも知れませんが、若いうちだからこそ、ムリが効くうちに「意識」「行動」「習慣」を変えて人生そのものを変えてください。
【結論】
■ 20歳代を、お金について無計画に終えると、一生涯お金に苦しみます!
(元銀行員ウソつかない!)
■ 中高年になってからずっとお金の悩みがついてまわる、働き続けないといけない、というのは(ある意味)悲惨です。大変です。
人生は(できるなら)楽しみたいものです。
■ FIRE(Financial Independence, Retire Early)という生き方も登場しました。早期に経済的自立を達成して(若くして)リタイヤするという生き方ですが、「やる」「やらない」は別にしても意識しておくことは大切です。
ここまでありがとうございました。
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