私の実体験からです。
老後2000万円問題が話題になってからだいぶ経過しました。
もう当たり前のようなキーワードになってしまった感もありますが、人よって意見はさまざまです。
そんなに心配しなくてもいいのではないか、という人もいますし、
2000万円どころではない、1億円ないと生活していけないのではないか、という人もいます。
ましてお金がテーマですから「どれだけあれば安心できるのか」は、マジに人それぞれです。
ずっと健康で薬や病院にお世話になることがなかったような人と、毎月のように病院に通っているような人とでは、万が一の時の安心料としてのお金に対してのとらえ方も違って当然です。
今回の記事は、年金についての話です。
・年金をシビアにとらえてみたい、という人
・実際、どんな状況になっているのだろうか、という人
・自分の場合は大丈夫だろうか? という人におすすめです。
元銀行員で31年間勤務した後、定年退職後にコンサル・ネットビジネスで起業した秋田です。
どれだけ日本という国が変わってきたか、という視点からシビアな情報をお伝えしていきます。
昔、十数人で1人支えていたのが、今や1人で1人? 1人で2人を支える?
私が社会人になるずっと前のタイミングでは、
日本の高齢者1人を支えるのに、若者(働き手)が十数人で1人を支える、という形でした。
それだけ働き手の負担は軽かったのです。
それから、私が社会人になった頃は若者6、7人でお年寄りを1人支える、という数値になっていました。
※ この頃の定年退職は、普通の会社だと55歳でした。
つまり、55歳から年金が支給されるような仕組みになっていたのです。
※ やがて年金は60歳支給へと制度変更がありました。

少子高齢化の話は今さらですね。
私が銀行を定年退職する頃は、働き手2人でお年寄り1人を支える形になっていました。
もはや働き手1人でお年寄り1人を支える時代を過ぎたら、働き手1人がお年寄り2人を支えなければならない時代になると思われます。
私が定年退職した時の年金支給開始年齢は、60歳が65歳になっていました。
※ 今、自主的に開始年齢を66歳以降に遅らせる人には加算しますよ、といったような制度になってきています。
※ まもなく、支給開始年齢そのものが70歳になる日も遠くないと思っています。
【ここでのまとめ】
・少子高齢化と年金制度そのものの制度疲労で今後の見直し必至の状況。
・今の若い人たちは、たぶんに支給開始年齢が70歳超になっていると予想されます。
・年金制度そのものが機能しているかどうかも不透明です。
今の制度設計での(サラリーマンの)厚生年金の最高支給月額は30万円?
ズバリ、結論から。
年収約1,200万円の人が、40年間厚生年金に加入して、ずっとその年収を維持・またはより高い年収を手にして、年金を掛け続けたら・・・
⇒ 理論上の最高月額30万円をもらうことができます。
とんでもない話だと思いませんか?
日本人サラリーマンの平均年収は約400万円台です。
(繰り返しますね)
仮に年功序列で年収が増えていったとしても、、サラリーマンを辞める時に社長などの役員になっていても40年間、約1,200万円平均で掛け続けていないと最高月額に近い年金はもらえない、ということです。
それでも毎月30万円です。
住宅ローンや家賃が10万円あって、スマホ代が夫婦二人で2万円あって、ガソリン代が1万円で、水道光熱費が、交際費が、お小遣いが、食費が・・・となれば30万円でもそんなにラクな形にはならないかも知れません。
では、普通の(今現在の若い)サラリーマンの方たちだと、いくらくらいの年金になるか、という予想金額があります。
ただし、この数字は正式な数字ではありません。
それを、次の章で明らかにします。
※ 社会保険庁が対外的に発表しているものではありません。
※ 裏話的に年金事務所で仕事をしている社会保険労務士の方に教えてもらったものです。
まもなく年金をもらえる予定の私が個人的に年金事務所に受給できる予定金額を聞きに行った時に、こっそりと教えてもらった数字です。
(なので数字の責任は私にあります)
【ここでのまとめ・ショッキングな話】
■ 年収1,200万円の人が、40年間掛け続けると、毎月最高に近い30万円がもらえる。
■ 今の30歳くらいの人たちで、月収40万円の人が40年間掛け続けると、夫婦二人で毎月15万円くらいもらえる、らしいです。
(単身での1人だと、13万円~14万円くらい)
■ これから社会人になって平均40万円の月収で40年間掛け続ける人だと、夫婦二人で11万円~12万円くらい。
(単身での1人だと、10万円くらい)
こんな悲惨な話を政府・マスコミ・年金事務所などが、正式な数値として発表することはありませんね。
絶対に表には出てこない数字だと思います。
※ あくまでも私の個人的な「私見」だと認識してください。
※ ただし、それなりのところからヒアリングした数値に基づいています。
※ もちろん制度そのものの見直しで支給開始年齢がさらに後ろにズレることも起こりえます。
20歳代のあなたの場合の厚生年金は?
平均月収40万円で、40年間加入していたら、
⇒ 毎月10万円~15万円くらいがもらえる年金額でした。
平均月収40万円で40年間というと、次のようなイメージになります。
【シビアなシミュレーション】
・20歳代(25歳~29歳)・・・月収20万円で、5年間掛ける
・30歳代(30歳~39歳)・・・月収30万円で、10年間掛け続ける
・40歳代(40歳~49歳)・・・月収40万円で、10年間掛け続ける
・50歳代(50歳~59歳)・・・月収50万円で、10年間掛け続ける
・60歳代(60歳~64歳)・・・月収60万円で、5年間掛け続ける
⇒ トータルで、40年間掛け続けた形。しかも、平均したら月収40万円となります。
⇒ これだけ掛け続けてきて、もらえる金額は毎月10万円~15万円(単身~夫婦二人)
今の日本で、
あなたの場合だとどうでしょうか。
上の赤色のブロックのように月収が増えていくと思いますか?
もちろん一部上場企業のような大企業でそれなりにキャリアを積んで、出世していく人は別です。
でも、サラリーマンの平均値を考えると、40万円の月収で40年間の掛け金だと数値ギリギリだと感じませんか?
ギリギリでも、もらえる時は毎月10万円~15万円の範囲くらい。
当然に(月収は平均ですから)、平均を上回る人もいれば、下回る人も存在することになります。となれば、
⇒ 自分で、自己責任で対応・対策していくしかありませんね。
残念ながら、です。
公式な算出式は?

いい記事を見つけました。
おおよその年収別の年金見込み額が計算されています。


期待できる老齢厚生年金額=平均年収÷12×5.769÷1,000×加入月数なので、
※ 計算式の数字はいろんなサイトから採用(ぜひ自分でも調べてみてください)
年収300万円 | 300÷12×5.769÷1,000×480(40年)=約69.2万円(年)+老齢基礎年金毎月6.5万円 ⇒ 月額は、69.2万円÷12+6.5万円=12.2万円 |
年収400万円 | 400÷12×5.769÷1,000×480(40年)=約92.3万円(年)+老齢基礎年金毎月6.5万円 ⇒ 月額は、92.3万円÷12+6.5万円=14.2万円 |
年収500万円 | 500÷12×5.769÷1,000×480(40年)=約115.4万円(年)+老齢基礎年金毎月6.5万円 ⇒ 月額は、115.4万円÷12+6.5万円=16.1万円 |
あくまでも今現在の予想です。
20歳代の方たちだと、これから40年先の話になります。(30歳代の方で30年先の話)
何がどうなるかまったく予想はできない、というのが至極当然の思考だと思います。
【となれば】
・やはり、自己責任で自己防衛を考えておくことが非常に大切です。
・積立式の保険や損害保険、個人年金、株式投資、その他金融商品などの金融資産にも目を向ける必要があります。
・ハイリスクハイリターン、ローリスクローリターンなど自分の将来像やライフスタイルにあった、分散投資が求められます。
まとめ
昔の話をして大変に恐縮なのですが、、
私の父親や先輩方の世代は、日本が高度経済成長期でした。
大量生産・大量消費、日本列島改造論、所得倍増計画など活気あふれるキーワードが誕生していました。
もちろん預金の金利水準が5%、6%という時代でしたからサラリーマンのベアも毎年1万円くらい上がっていたのです。
(預金金利5%だと、100万円預けた定期預金が1年後には105万円になる時代でした。税金はマル優制度で300万円までは非課税でした)
毎年ベアが、1万円上がるということは、新社会人の基本給が、
今年は、15万円
来年は、16万円
その翌年は、17万円という感じで賃上げがあった時代でした。
ということは、社会人2年目、3年目の人たちもその恩恵を受けて、年功序列で賃金が上がらなくても基本給が去年15万円だったのが、何もしなくても今年は16万円、来年は17万円になる、というようなパターンで生活設計を組み立てることができた時代でした。
今年の給料15万円で、毎月1万円のローンを組んでマイカーを購入しても、来年は16万円になるから月1万円のローンは十分に返済していけるよね、という時代だったのです。
(物価上昇よりも賃上げの方が上回る感じです)
そんな時代に高齢者の方々に年金が十分にいきわたるように作られたのが年金制度です。
今や、そんな成長期の日本ではありません。
低成長どころか、賃金ベースで見ればマイナス成長してきたのが今の日本です。
これからさらに、賃金は(簡単には)増えない、物価は上がる、年金は先送り・先延ばしになる、しかも減額されるかも知れない・・・
そんな時代を自己責任で乗り切るしかありません。
まして家族がいる、これから家族を持つ、となればなおさらです。
【まとめ】
■ 年金を(その将来性を含めて)どうとらえるか、は個人個人の思惑です。
■ 1つだけ間違いなく言えることは、公的年金だけでは老後は不十分だ、ということです。
■ 今から、若いうちから手当・対応・対策しておく必要があります。絶対に必要です。
ここまでありがとうございました。